秀岳館高校サッカー部の練習の特徴は次の2つです。
- テクノロジー活用による合理的な指導
- 社会に通用する人材を育てる人間教育
本校サッカー部のテクノロジー活用についてその一例をご説明します。
テクノロジー活用による合理的指導
秀岳館高校サッカー部は「Field Wiz」というGPSを用いたフィジカルデータ取得システムを使い、個々の選手の活動度やコンディショニング・トレーニング成果などを客観的かつ正確に把握しています。(「Field Wiz」はスイスサッカー協会などでも使われ、FIFAの認証システムを用いています)
計測するデータ
- 試合前後半の走行距離
- 加速とスピードに関するデータ
- 選手別時間別走行距離
- 選手別心拍数(時間別にグラフ化)
- ヒートマップ
たとえば、このデータは毎秒の加速回数(A)と減速回数(B)を表しています。
ボールを受けるためには加速し、奪われたら一度減速して守備に切り替えます。
その回数をカウントしています。
このデータを見ると、加速と減速の回数の差が大きい選手(守備への切り替えをサボっている)と、回数の差があまりない選手(攻守の切り替えがきちんとできている)が一目瞭然です。
攻守の切り替えが出来ている選手には、更にどうやったら攻守の切り替えを超えてボールを奪えるのかを指導していく。
出来ていない選手には、攻守の切り替えが出来るようになるためのトレーニングを課題とします。
指導者は試合全体を見ます。
ですので、選手個人個人の頑張った場面が視野外になってしまうこともあります。
頑張っている場面を見てもらえず、ミスをした場面だけを捉えられて厳しい指導を受けてしまったら、その理不尽はわだかまりとなって残ることでしょう。
このデータは一例に過ぎませんが、数字を指導の裏付けにすることにより、より選手と指導者の間の理解度を深め、自発的に努力をする選手を育てることができると考えています。
このデータは、試合中に時速30キロ以上のスピードで走れた選手を表しています(C)。
時速30キロは、見て「おっ、速いね」と感じるスピードですが、プロ選手と比べたときにそのスピードで走った距離が物足りません。このデータの時には時速30kmを超えた選手は2人ですが、2人には「もっと回数と距離を伸ばそう」という始動をします。
時速30kmを超えていない選手には2通りの選手があります。
1つは、出せるのに出していない選手。
もう2つは、目一杯走っても30km/時で走るのが無理な選手です。
30km出せる選手には、「出せるのに出していなかったね」と、次の試合で出せるような意識付けを行います。
目一杯走ってもスピードが出ない選手には、スピードが出せるようになるトレーニングメニューを課します。